テレワークなどの普及に伴って、コンピュータを使う機会も増えてきました。
義務教育でもプログラミングに関する授業が実施されるなど、よりコンピュータに関する知識の必要性は高まってきています。
この記事を読むことで、「コンピュータってどうやって動いているの?」という疑問に自信をもって答えられるようになります。
コンピューターの仕組み
コンピューターは、次の5つの装置がデータなどのやりとりをして動作しています。
それぞれの装置の役割や、実際の処理の流れはこの後詳しく解説していきますが、まずざっくりととらえるために、人間に例えて考えてみましょう。
今回は、中央演算装置(以下、CPU)と記憶装置が脳、入力装置は目や皮膚など、出力装置は手や足などに例えて考えてみます。
信号を渡るときには、信号が青になったことを目(入力装置)で確認し、脳(演算装置)で認識してから実際に足(出力装置)を動かすことで横断歩道を渡ります。そもそも青信号で渡ってよい、赤信号はわたってはいけないという知識も脳(記憶装置)が記憶しています。
コンピュータも、同じような仕組みで動作しています。
コンピュータの5大装置の役割
それでは、先ほど紹介したコンピュータ5大装置がそれぞれどのような役割を持っているのか解説していきます。
制御装置・演算装置
まず、中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)に含まれる制御装置と演算装置ついて説明します。
CPUはコンピュータの頭脳ともいわれており、人間でいうと「脳」に例えられます。
そんなCPUには2つの装置が含まれていて、以下の役割があります。
- プログラムの実行順を制御する(制御装置)
- 与えられたプログラムを実行する(演算装置)
では、それぞれの役割を小学校の算数のテストに例えて考えてみましょう。
まず1点目の「プログラムの実行順を制御する」から考えていきます。
問題を解くとき、まずは一番最初に書かれた問題から解いていきますよね。CPUも同じように、上からプログラムを読み解いていきます。
途中まで問題を解いたところで名前を書くことを忘れていたことに気づきました。このままでは先生に怒られるので問題を解くのを中断して名前を書くわけですが、CPUも同じように途中で処理しなければいけないプログラムが割り込んできた場合、その処理を先に実行します。
このように、プログラムの実行順(問題を解く順番)を制御するのがCPUの1つ目の役割です。
続いて、2つ目の役割「与えられたプログラムを実行する」です。
算数のテストで【1+1=?】という問題が出たとします。人間はこれを脳を使って解くわけですが、CPUも同じように与えられたプログラム(計算問題)を実行する役割を担っています。
計算の速度はCPUの性能によって変わってきます。出木杉くんであれば1分で解ける問題も、のび太なら30分以上かかってしまうかもしれません。スネ夫やジャイアントを呼んで複数人で一緒に問題を解けば、問題を解くのは早くなるはずです。
CPUでは脳の回転の速さをクロック数(クロック周波数)、人(脳)の数をコア数と呼んでいます。
記憶装置
続いて、記憶装置について解説します。
その名の通りデータやプログラムを記憶する装置です。主記憶装置と補助記憶装置に分けられており、それぞれ役割も異なります。
記憶装置の役割は以下です。
- 実行するプログラムを一時的に記憶する(主記憶装置)
- データを保持しておく(補助記憶装置)
それではこちらは算数の授業で考えてみましょう。
1つ目は主記憶装置の役割である「実行するプログラムを一時的に記憶する」です。
授業では、先生の頭の中にある知識を黒板に板書します。板書された文字や図は黒板を介して生徒のノートに書きうつされます。黒板がいっぱいになったら、古くなった情報から順に消されていきます。
この黒板のように、主記憶装置は一時的な作業のためのスペース(記憶領域)としての役割を担っています。
ちなみに主記憶装置は半導体で作られたものなので、CDのようなディスクで作られた補助記憶装置より高速に読み書きができます。ただし、一度電源を切るとデータが消えてしまうという特徴があります。
2つ目は補助記憶装置の役割である「データを保持しておく」です。
先ほど説明したように、主記憶装置は一度電源を切るとデータが消えてしまうので、データを保持する領域が必要です。その役割を補助記憶装置が担っています。
黒板に書かれた文字や図は、生徒のノートに書きうつされます。ノートであれば消される心配もないですし、必要に応じて書き足したり、消すこともできます。このノートの役割を担っているのが補助記憶装置です。
補助記憶装置にはHDDやSSDの2種類があります。HDDはCDのようなディスクを内蔵した記憶装置で、書き込みは遅いですが安価で手に入れることができます。SSDは主記憶同様半導体で作られており、高速に読み書きができます。一方でHDDよりは高価です。
入力装置
続いて、入力装置について解説します。
入力装置は人間でいうと「目」や「皮膚」などに例えられ、外部からの情報を受け取り、脳(記憶装置やCPU)に伝達する役割を持っています。
具体的に入力装置の役割は以下です。
- 接続された装置からの入力情報をコンピュータに与える
コンピュータを操作する際に使用しているマウス、キーボードやカメラ、マイクなどが入力装置に当たります。要は人間の意図した操作をコンピュータ上に反映させる役割です。これらの装置は外部からの情報をデジタルデータに変換してコンピューターに伝達しています。
これらの装置を使用するにはコンピューターとの橋渡しをしてくれるドライバというソフトウェアが必要になります。
出力装置
続いて、出力装置について解説します。
出力装置は人間でいうと「手」や「足」などに例えられ、脳からの情報を受け取けてそれを動作に変える役割を担っています。
具体的には以下です。
- コンピューターのデータを外部に受け渡す
コンピュータを利用したときに人間が情報を受け取っている装置が出力装置に当たります。画面を映し出すディスプレイや、画面に表示した内容を紙などに印刷するプリンタなどが該当します。こちらはコンピュータの中で処理した情報を人間に見えるように表現する装置です。
こちらも入力装置同様、コンピューターとの橋渡しをするドライバが必要になります。
まとめ
このようにコンピュータは5つの装置がそれぞれ相互に作用しながら動作しています。
CPUと記憶装置は「脳」、記憶装置は「目」や「皮膚」、出力装置は「手」や「足」で例えられましたね。
次回はこれらの装置がどのように作用しあっているのか、説明していきます。
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